「値上がり列島」さらなる上昇も
追加金融緩和に伴う商品相場の高騰と異常気象で、生活関連商品が続々と値上がりし、ただでなくても厳しい家計を苦しめている。卵、野菜、コーヒー、ガソリンの価格上昇が最近話題になっているが、今後、パンや納豆、衣料品などの価格も上昇してくる可能性が大きい。サラリーマン家庭の収入が低迷するなか、日本は「値上がり列島」となる。
米シカゴ商品取引所ではトウモロコシ先物の価格が昨年6月の2倍の水準に上昇。さらに小麦、大豆、コーヒー豆なども昨年後半から高値水準が続いている。原油や綿花なども同様だ。 商品相場上昇の背景にあるのは、日米を中心に追加金融緩和状態が続いていることがある。 各国の中央銀行が市場に大量のマネーを供給。市場にあふれかえった資金は株や為替、債券市場に流れ込み、株高などを演出している。それでも消化しきれないマネーが商品市場にも投機資金として流れ込み、「相場を押し上げている」(大手商社幹部)。 加えて、大洪水や寒波といった異常気象が商品相場をさらに押し上げる要因となっている。ロシアの昨夏の干ばつでパンなどの原料となる小麦が急騰。昨年末からのアルゼンチンでの干ばつでコーンの品薄感が強まり、飼料として利用されるコーンの高騰は食肉価格の上昇となって跳ね返ってきそうだ。 さらに、豪州やブラジルでの大洪水により小麦と大豆の収穫が不良となることから、これらの価格上昇を招いている。 綿花の高騰も世界的な衣料品の価格上昇を引き起こす可能性がある。 日本国内では、昨年末からの寒波の影響を受け野菜が高騰。18日に農林水産省が発表した野菜の小売価格調査では、キャベツ、レタス、ニンジンが前週(3〜7日)より1〜8%値上がり。その前週にはキュウリが23%高、ネギが14%高となるなどした。寒波で成長が遅れ、品薄感が強まっているためだ。 また、価格がもっとも安定しているとされる卵もここにきて高騰。昨夏の猛暑で鶏が大量死したことが背景にある。Mサイズ10個入りが212円と、06年1月と比べ46円も上昇している。ガソリンも7週連続で上昇し、レギュラーで1リットル=140円をうかがう状況となっている。
by cpu-700mhz
| 2011-01-23 10:00
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