そこに夢があった。涙と喜び、感動があった。広島カープが28日、本拠地・広島市民球場(広島市中区)で同球場最後の公式戦を行い、有終の白星で飾った。通算3182試合。実数発表以降、最多の3万609人の大観衆が別れを惜しんだ。原爆投下で焦土と化した広島市。その中心部にある原爆ドームから指呼の地に1957年7月、復興の象徴として建てられた母なる球場が、51年間の歴史に幕を下ろした。
広島市民球場最後の公式戦。57年に誕生してから3182試合目。フィナーレを飾るにふさわしい白星で締めた。喜びも苦しい思い出もいっぱい詰まったグラウンドで有終の美を飾ることができた。カープナインに別れの涙はない。必ず日本シリーズで帰ってくる。そう誓いながら、スタンドのファンに笑顔で手を振り、場内を一周した。
別れよりもありがとうと感謝への思いがこもった試合後のセレモニーだった。「宇宙戦艦ヤマト」をブラウン監督以下、全コーチ、選手、そして2軍で調整中の横山、高橋も参加した。