中国の元人権派弁護士、高智晟氏が昨年4月、中国警察に約14カ月、拘束された際の拷問の状況を米AP通信に語っていたことが分かった。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA、電子版)などが11日までに伝えた。胡錦濤国家主席の公式訪米を前に、中国の人権問題が米国で再び注目を集めそうだ。
高氏は「残虐さは表現不能」と述べつつも、48時間連続で警官が交代しながら同氏を銃で殴り続けたことや、股間に電気ショックを加えたり、火の付いたたばこを両目に押し当てられたりしたことを打ち明けた。同房の収監者からは「人間であることを忘れろ」とアドバイスされたという。
AP通信記者は昨年4月、1年以上も行方不明だった高氏と北京市内での面会に成功。しかし、過酷な拘束の実態は公表しないよう求める本人の要望を受け、当時は高氏が家族のために人権活動断念を決めたことのみを報道。その後、高氏の消息が再び途絶えたことから、全内容の公表を決意した。
高氏は、非合法化された気功集団「法輪功」メンバーの人権擁護を行っていた。今は当局の監視下に置かれているとみられるが、消息は不明。