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小食でも満腹感を覚える方法

ダイエットで何がつらいと言っても、食欲をガマンすることではないでしょうか。それを克服するには、少しの食事で満腹感を得る方法を体得すればいいのでは!? という単純な理屈にひらめき、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生のクリニックに駆け込んでお話を伺いました。


■満腹だと感じる一番の刺激は「血糖」
――先生、まずは満腹感を覚える体のメカニズムを教えてください。

福田先生 食欲を調整しているのは、脳にある満腹中枢(ちゅうすう。満腹感を得る場所)と、摂食中枢(せっしょくちゅうすう。空腹感を生み出す)のバランスです。

食事をすると、血液が食事中に含まれる糖分を吸収して脳に運び込みます。そのとき、血液中の糖分の割合=血糖値が上がり、満腹中枢を刺激して「満腹ですよ」という信号を出します。

同時に、食欲が抑えられます。ですから、満腹だと感じる一番の刺激は、「血糖」です。血糖値が上がると満腹感が、血糖値が下がると空腹感が刺激され、そのバランスをとるために、インスリンというホルモンが働きます。

また、満腹を感じるのには、血糖やインスリン以外にもさまざまなホルモンがかかわっています。細胞の中に脂肪が溜まってくると、レプチンというホルモンが分泌されますが、これは別名「飢餓ホルモン」と呼ばれるように、肥満をつくると考えられています。満腹を感じるメカニズムは複雑です。

――では、おなかが減った〜というとき、体はどうなっているのでしょうか。

福田先生 空腹になると脂肪が分解されて血液中に脂肪酸が増えます。これが脳の摂食中枢を刺激して、おなかが減ったと感じるようになります。

ほかに、胃の中がからっぽになるとグレリンというホルモンが出て、これも摂食中枢に信号を送ります。すると、ものを食べたくなります。

そこで食事をすると、今度は腸管からインクレチンというホルモンが分泌され、満腹中枢を刺激して食欲を抑えにかかるなどと、食欲を支配する経路は何重にも存在します。

――満腹と空腹を感じるメカニズムは連綿とつながっていて、刻一刻と活動しているのですね。では、少量の食事でも、満腹を感じやすい方法はあるのでしょうか。

福田先生 はい、血糖やホルモンの動きから理にかなった方法があります。何もガマンすることなく、誰もがすぐに実行に移せる「食べ方」です。7つの方法にまとめて紹介しましょう。

(1)ひと口につき、30回かんで食べる。
時間をかけてよくかむことで脳が活性化し、セロトニンという物質や、前述のレプチンというホルモンが分泌されます。これらは満腹中枢や交感神経を刺激し、満腹感を生み出します。

また、前述のとおり腸管からもホルモンが分泌されて血糖の上がりを抑制し、食欲を抑える作用が働きます。

いつもと同じ量、同じ質の食事を、ひと口30回かんで食べることを試みて自分で実験してみてください。満腹度が実感できると思います。

30回かむなど食べるたびに30回数えるのは面倒なので、最初のひと口だけ数えて感触を得る、または、いつもより数口多くかむ、という程度でも効果はあるでしょう。

(2)ゆっくり食べる=早食い禁止
満腹だと感じさせるホルモンは、分泌されるまでにやや時間がかかります。出てこないうちに早食いしてしまうと満腹感を覚えず、おかわりしたくなるのです。

(3)食事の途中ではしを置く
(2)と同じ理屈です。食事中はがつがつごはんだけを見ていないで、顔をあげて遠くを見ながら多めにかんでください。食事を途中で休むのも有効です。

(4)汁ものを食べる
みそ汁など汁ものを食べると、胃の容積が満たされて満腹だという信号が脳に届きます。汁のかわりに、水やお茶をゆっくり飲むのもOK。

(5)野菜、きのこなどの食物せんいから先に食べる
最初に野菜やこんにゃく、きのこなど食物せんいが多いものを食べ、その後、肉や魚などのタンパク質、次にごはんやパン、めん類などの炭水化物を食べるようにします。すると、血糖がゆっくり上がるため、脂肪をため込もうとするホルモンの分泌が抑えられて満腹感が得やすくなります。

(6)油ものを抜きすぎない
ダイエットというと真っ先に油分を抜きがちですが、脂分が極端に少ない料理では、食べても満腹感が得られません。1日にスプーン1杯程度の油は糖尿病食でもOKで、むしろ分量を守れば勧められています。

(7)食前に食物せんいたっぷりの寒天ゼリーを食べる
糖尿病の療養食の一つでもありますが、当院では、食前に食物せんいがたっぷりの寒天ゼリーを食べることを勧めています。ゼリーは胃の容積を満たし、食べごたえもある食感で満腹中枢を刺激します。

最後に福田先生は、こうアドバイスを加えます。

「少しの食事量で満腹感を得やすい食べ方というのは、ダイエット以前に、健康な体を保つ上で一番の基本なんです。ゆくゆくのメタボ腹対策や生活習慣病対策にもつながります。ぜひ若いうちから、この食生活を習慣にしてください」

ありがとうございました。簡単にできそうな方法なので、今日からすぐに実践できそうです。

監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書 \780)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書 \756)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則 「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス  \1,365)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられている。
ふくだ内科クリニック 大阪市淀川区宮原1-6-1-2F JR・地下鉄御堂筋線新大阪駅から徒歩3〜5分 TEL:06-6398-0203 http://www.mog.gr.jp/
by cpu-700mhz | 2012-01-11 13:00
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