ヘリに乗って150円のうどんを食べにくる客も
幼少のころから「うどん」が大好きだった。蕎麦よりもラーメンよりもうどんが好きで、特にスーパーで売られている丸くて太い「茹で麺」が好きで好きでたまらなかった。インスタント麺もラーメンより『どん兵衛』が大好きで、親が『カップヌードル』を買ってきたときは「どん兵衛じゃない! コレジャナイ!」と泣いたものである。
そんな「うどん熱」が最近になって再燃し、「日本一美味しいうどんってどこで食べられるのだろう?」と思った記者。日本でいちばん「うどんな県」といえば香川県。じゃあ香川県でいちばん美味しいと評判のうどん屋こそが、日本一美味しいうどん屋なのではないだろうか!? ということで、あらゆる噂やクチコミ、サイト、紙面、うどんマニアの声を調べ、香川県でいちばん美味しいうどん屋を特定! さっそく実際に行ってみたぞ! そして、あまりの美味しさに衝撃を受けたのである! こりゃ他店にはマネできない味だわ(笑)! ・看板もないし「うどん」とも書かれていない 記者が向かったうどん屋は、香川県……じゃなくてうどん県三豊市にある『須崎』。東京から寝台列車に乗って坂出駅で降り、そこから鈍行列車に乗って高瀬駅で下車。そして駅前のタクシーに乗って15分ほど行ったところに『須崎』があった。 しかぁぁぁぁぁし! その店があるはずの住所には瓦屋根の商店があるだけ……。『須崎』なんて店名はどこにもなく「うどん屋」とも書いてない。えっ? もしかして行き先を間違ったか!? ……と思っていたら商店の扉がガラリと開いて中からオバアチャンAが。そして記者に「おうどんですかぁ?」と声をかけてくれた。おおおっ! 確かにここはうどん屋だった! 看板も店名もないけど、確かにここは『須崎』という「うどん屋」である。 ・うどん屋の雰囲気はゼロ! だがそれがイイッ! 朝の8:30ごろに到着したため、うどんが茹であがる9:00まで待つことに。その間、お店に入ってなかを見学させてもらったのだが、「ここがうどん屋!? いい感じの雰囲気をした田舎の個人経営の商店じゃん!」と思ってしまったのが正直なところ。 店内には住民の私物や生活感あふれる物がたくさん置いてあり、テレビや座布団もあるが、客のためというよりもここに住んでいる人たちが使用している空間に思えた。だが逆にそれがイイッ! こんな店、東京にはない! ・うどん150円! もうける気ゼロ 店内のテーブル席に座ると、ダンボール紙に書かれたメニューが目に入ってきた。この店のメニューはたったふたつ。150円の「うどん小」と、280円の「うどん大」のみ! トッピングとして生卵もあり、それは20円。どう考えても「もうける気ゼロ」である。 記者は、うどん大を注文。すると大きなお椀にうどんだけが入った状態で運ばれてきた。そこにネギと生姜を好きなだけ入れ、あとは麺ツユをかけて食べる。オバチャンBの情報によると、「麺ツユはあまりかけないほうが美味しいヨ」とのこと。 ・別次元の味と食感にショック! 適度なネギと生姜、そして麺ツユのをオバチャンBにかけてもらい、さっそく「ズルズルッ!」と食べる。おんぎゃあああああああああああああああああああああ! ギニャーーーーーーーッ! うめぇええええええええええええええええええええええ! ンマァァァァァァァァァアーーーーイ! 「今まで食べてきたうどんは何だったんだ!?」と思うほど衝撃的なうどんに、記者は思わず「なんだコレ! うどんってこんなに美味しかった!? って思うほど美味しすぎマスヨ!」とオバチャンBに言ってしまったくらい美味しかった。 ・すべてにおいてパーフェクトなうどん どうして美味しいのかを明確に伝えることは難しいが、実感として次のようなことを感じた。「コシ・弾力が絶妙」、「麺の表面がツルツルじゃなくてシットリしていて食感が抜群」、「そのシットリとした表面の特徴により麺がツユや生卵を吸着する力を持っている」、「麺自体にほのかな美味しさがあってツユなしでも激ウマ」。 この店の雰囲気もあって、その美味しさが倍増されたのもあるだろう。あまりにも美味しすぎたので、おかわりしてしまったくらいである。ちなみに、当日中に食べるのであれば「茹で麺」の持ち帰りもできる。しかも持ち帰りの麺は100円! 安すぎて笑った。 ・海外やヘリコプターに乗ってやってくる客もいる このうどん、うどん県に行ったならば絶対に食べておきたいうどんなのは確かだ。ちなみに、オバチャンBによるとこの店はうどん屋ではなく商店とのこと。うどんを持ち帰る地域住民の人たちにうどんを売っていたが、ここで食べていきたいという人のために食べるスペースを作ったところ、なぜかクチコミで広まって日本全国からうどん好きがやってくるようになったという。 どういうわけか、シンガポールや中国などからお客さんがやってくるそうで、なかには大阪からヘリコプターに乗って150円のうどんを食べにくる富豪もいるのだとか(ここのうどんを食べるためだけに!)。 ・絶対に食べてもらいたい「真のうどん」 この店に行きたいという人は、次のことに注意してもらいたい。午前中に売り切れてしまうので、遅すぎると食べられないことがある。また、駅から離れているので高瀬駅やその他の最寄駅からタクシーで行くことになる。ちなみに高瀬駅からはタクシーで1900円ほど。なのでレンタカーでくる人も多いらしいぞ。 重ねて言うが、『須崎』で働いているオバチャンたちは「ここはうどん屋じゃないんですよ。ただの商店なんです」と言っている。よって、『須崎』に行きたいとタクシーに運転手に言っても行けない可能性が高いので、住所を紙に書いて運転手に見せたほうがいいだろう。 ・絶対に個人的にまた行きたい いやあ、本当に美味しかった。東京や大阪などのうどんも美味しいが『須崎』のうどんは別次元であり、「真のうどん」といっても過言ではない。記者は今年中、個人的にまた行きたいと思っている。絶対にッ♪ ・今回ご紹介した飲食店の詳細データ 店名 須崎(すざき) 業種 商店 住所 うどん県三豊市高瀬町上麻3778 時間 9:00〜11:00(麺がなくなりしだい終了) 休日 不定休
by cpu-700mhz
| 2012-03-11 13:00
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